相続放棄と限定承認
ここでは、借金等のマイナスの財産を相続しない方法に関して、ご説明いたします。
相続放棄とは
マイナスの財産である借金を相続しない代表的なものが、相続放棄です。
被相続人がプラスの財産より借金を多く残して亡くなったような場合に、“プラスの財産も借金もどちらも受け継がない”と宣言することです。
相続放棄を行う場合には、被相続人(亡くなった方)の住民票地を管轄する家庭裁判所へ相続放棄を申し立てます。
よく「相続人どうしで相続の放棄を約束した」との話を聞きますが、それでは相続放棄したことにはなりません。放棄すると言った人の分割割合を「ゼロ」にする合意ができただけの話であり、法的な意味の放棄とはなりません。遺産分割協議は、分割の割合や仕方を協議するものです。放棄を宣言することはできないのです。
限定承認
遺産の全てを受け継がない相続放棄とは異なり、相続人が一定の留保をしたうえで相続をする意思表示が限定承認です。
一定の留保とは、「相続するプラスの財産の範囲でマイナスの財産を受け継ぐ」というものです。
3ヶ月経過後の相続放棄
相続放棄・限定承認の申し立ての期限については「自身が相続人であることを知った日から3ヶ月以内」に手続きをしなければならないと法律で決められています。
「相続放棄の手続き期限は3ヶ月以内」という期限を本当に知らなかったとしても、知っていたものとして扱われますので十分注意が必要です。
保証債務があったら
相続を承認した後や、相続放棄・限定承認の期間が経過した後に、被相続人が他人の借金の保証人になっていたことが発覚するケースがあります。
この場合、債務の存在を知ったときより3ヶ月以内であれば、例外的に相続放棄が可能となる場合があります。(ただし、この場合、債権者が争ってくることが想定されます。)
この記事を担当した司法書士
司法書士サンシアス
代表
丹 茂孝
- 保有資格
司法書士 行政書士 土地家屋調査士
神奈川県司法書士会登録第1426号
簡裁訴訟代理権認定番号第601465号
神奈川県行政書士会登録登録番号第16090386号、会員番号5077号
神奈川県土地家屋調査士会登録第3030号
公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート会員
一般社団法人家族信託普及協会会員- 専門分野
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不動産登記全般、相続全般
- 経歴
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神奈川県司法書士会所属。平成18年度に司法書士試験に合格し、平成20年に神奈川司法書士会に登録。平成21年に行政書士試験合格。平成27年に土地家屋調査士試験合格。平成28年に行政書士と土地家屋調査士も登録。地域では数少ない、司法書士と行政書士と土地家屋調査士のトリプルライセンスを保有している相続の専門家として、横浜市内の相続の相談に対応している。