他人名義の土地の上に住んでいた方の相続・名義変更手続きを進めることができた事例
相続で譲り受けた土地が他人名義だったケースの対応方法
相続で譲り受けた土地を他人が使用している場合は少なくありません。
そのような場合に、
・「名義を変更したい」
・「地代を値上げしたい」
・「売却したい」
と思った場合に対応できるのでしょうか?
土地を貸す場合には、
貸すことによって金銭などの対価をもらう「賃貸借」と対価をもらわない「使用賃貸」があり、これによって対応の方法が異なります。
今回ご紹介する事例は「使用賃貸」の事例になります。
状況
ご相談に来られたのはK様という男性と女性でした。お話を伺ってみるとお父様が亡くなって空家になったので売却したい、相続人は子二人で自分たちのみだということでした。
しかし、建物は確かにお父様名義でしたが、土地の部分は他人名義でAとなっていました。尋ねてみるとどうやら事情は複雑そうでしたが、要点だけあげると昭和20年くらいに隠れ蓑としてAの名前にしたが、その後に名義変更せずに他人名義の土地のまま今日まで来てしまったということでした。
AとK様に血縁関係は全くなく、赤の他人です。
K様は実はAの相続人の電話番号を知っているということで、理由をうかがうと10年ほど前に専門家を入れて調べたことがあったとのことです。
しかし、そのときには途中でどうにもならずに不動産の名義変更を含む相続業務が終了してしまったとのことでした。
司法書士の提案&お手伝い
この件はもはやただの不動産の名義変更手続きや遺産整理業務などではなく、複合的な要素が入ったコンサルティング業務でした。
不動産の売却目的なので支払いはある程度できるとのことでしたので、予算として150万円くらい見ていただき、進めることといたしました。
ただし、150万円のうち100万円程度は弁護士費用として見ていました。
なぜなら、前回の他の専門家の調査でAの相続人は推定で少なくとも40名はいることが判明しており、ひとりひとりと折衝してなどいられないので、形式的にでも裁判を行った方がよかったからです。
結果
はじめに、Aの相続人で電話番号が分かっていた方にお電話をしてみましたが、その方も亡くなっており、その息子さんが対応してくれ、「もう昔のことでよくわからないし、どうでもいい。ただ、ほかの親戚に連絡するとか協力することはしたくない」とのことでしたので、やはり裁判を行うことに決めました。
「形式的に裁判をします」と伝えると「不利益なことがなければ何でもよい」とのことでした。
戸籍の調査をしてみると10年ほど前の調査からはさらに状況が変化しており、結局相続人はさらに増えて最終的に51名でした。連携している弁護士から事情を説明した文面をそれぞれに送ってもらった上で、裁判を行いました。
その結果、相談を受けてから約1年半でなんとか判決を得ました。
これにより、弊社で名義変更登記手続きを行いましたが、相続人が多いため、非常に大変な名義変更でした。判決を得てから2か月後にようやく、他人名義からK様の名義に名義変更することができました。
土地と建物の名義人が違う土地の相続
他人名義のまま相続手続きを放置してしまった場合
今回のケースのように、土地・不動産が他人名義だとわかっていながら、相続手続きが煩雑であるために放置をしてしまうと、その間に次の相続人が亡くなり、相続人の数が増えてしまいます。
相続登記(名義変更)には相続人全員の押印と印鑑証明書が必要になるため、相続人の数が増えると、さらに手続きに時間がかかってしまいます。
相続人の数が数十人となっている、連絡先を知らない人や面識のない人がいる場合には、相続手続きを進めることが困難になることや停滞してしまうこともありますので、お困りの際にはご相談ください。
不動産の名義変更(相続登記)の手続きについて詳しくはこちら>>
建物と土地の名義が違う場合の売却方法
建物と土地の名義が違うが、建物と土地の売却を検討している場合、考えられる選択肢は3つです。
1 名義を変更してから売却する
建物、もしくは土地の名義を変更し、土地と建物の名義をそろえてから売却する方法です。
名義を変更した後に売却するメリットは、売買後のトラブル防止や買い手側の負担が減ることが挙げられます。
2 建物と土地を別々に売却する
建物と土地を別で売却することが可能ですが、実際には建物と土地を別々に売却するのは難易度が高いです。
というのも、買い手側からしたら建物と土地の名義が違うことで、購入後もトラブルの種を抱えている状態になるからです。
3 建物も土地も名義を変更せずに売却する
建物と土地の名義はバラバラのまま売却し、購入者が両方とも名義を変える方法です。
この場合、契約内容が複雑になり、買い手側は二つの契約を結ぶことになりますので、手続きが面倒になることは避けられません。
上記のような複雑な手続きを対応してくれる不動産会社に頼む必要があります。
相続した土地に借地権があった場合
相続した土地に借地権が付いていた場合、借地権も一緒に相続することになります。
相続した土地に住み続ける場合は、借地権に関する特別な手続きは不要です。
しかし売却をしたい場合、土地に付随する不動産を手放したい場合は地主の許可が必要になりますので注意が必要です。
土地と建物の所有者が異なるケースで、相続に関するトラブルが起こりそうな場合には、遺言書を作成するか、生前贈与を検討するなどして、相続に備えることが大切です。
これによって、相続に関連するトラブルを未然に防ぐことができます。
他人名義の土地建物の相続手続きは、多岐にわたります。
相続に関する手続きは、年金手続き、保険金の請求、預金口座や不動産の名義変更など多岐にわたります。
これらの手続きはそれぞれ管轄が異なっており、通常は相続人の方が各機関に対して、個別に手続きをしなくてはなりません。
今回ご依頼いただいた相続手続丸ごとサポート(遺産整理業務)では、司法書士が遺産管理人(遺産整理業務受任者)として、相続人様の窓口となり、相続に関する煩雑な手続きを全てワンストップで代行いたします。
具体的には、相続財産承継業務委任契約書(遺産整理委任契約)を締結させていただき、戸籍関係書類の取得・相続関係説明図の作成、相続財産の調査・目録の作成、遺産分割協議書の作成、相続財産の名義変更や換価処分・換金手続(不動産の相続登記、預貯金の解約・払出し、有価証券の名義変更・売却、不動産の売却等)をサポートさせていただきます。
当事務所へのお問い合わせはこちらから
詳しいサポート内容についてはこちら>>
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※今回は特殊なケースであり、連携している別の専門家にもご依頼をいただいております。
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相続財産の価額 | 報酬額 |
---|---|
200万円以下 | 165,000円 |
200万円を超え500万円以下 | 220,000円 |
500万円を超え5,000万円以下 | 220,000円~715,000円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 715,000円~1,155,000円 |
1億円を超え3億円以下 | 1,155,000円~2,475,000円 |
3億円以上 | 2,475,000円~ |
※ 司法書士法施行規則第31条において、司法書士の附帯業務として相続人からの依頼に基づき、遺産管理人として遺産整理業務を業として行うことができる旨が定められております。
相続手続丸ごとサポート(遺産整理業務)について詳しくはこちら>>
他事務所との料金比較
当事務所の相続手続丸ごとサポート(遺産整理業務)は他事務所と比べて安く設定されています。
相続財産の価額 | 一般的な事務所の報酬額 | 当事務所の報酬額 |
---|---|---|
200万円以下 | 250,000円 | 165,000円 |
200万円を超え500万円以下 | 220,000円 | |
500万円を超え5000万円以下 | 275,000円~860,000円 | 220,000円~715,000円 |
5000万円を超え1億円以下 | 860,000円~1,419,000円 | 715,000円~1,155,000円 |
1億円を超え3億円以下 | 1,419,000円~2,959,000円 | 1,155,000円~2,475,000円 |
3億円以上 | 2,959,000円~ | 2,475,000円~ |
※ 司法書士法施行規則第31条において、司法書士の附帯業務として相続人からの依頼に基づき、遺産管理人として遺産整理業務を業として行うことができる旨が定められております。
この記事を担当した司法書士
司法書士サンシアス
代表
丹 茂孝
- 保有資格
司法書士 行政書士 土地家屋調査士
神奈川県司法書士会登録第1426号
簡裁訴訟代理権認定番号第601465号
神奈川県行政書士会登録登録番号第16090386号、会員番号5077号
神奈川県土地家屋調査士会登録第3030号
公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート会員
一般社団法人家族信託普及協会会員- 専門分野
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不動産登記全般、相続全般
- 経歴
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神奈川県司法書士会所属。平成18年度に司法書士試験に合格し、平成20年に神奈川司法書士会に登録。平成21年に行政書士試験合格。平成27年に土地家屋調査士試験合格。平成28年に行政書士と土地家屋調査士も登録。地域では数少ない、司法書士と行政書士と土地家屋調査士のトリプルライセンスを保有している相続の専門家として、横浜市内の相続の相談に対応している。